○精華町手話言語の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例
令和8年3月31日
条例第5号
精華町では、誰もがその人らしく、安心して生活できる共生のまちを基本理念とし、障害者施策を総合的に推進している。
全ての住民が、社会、経済、文化、教育その他のあらゆる分野における活動に参加し、心豊かに生活していくためには、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病その他の心身の機能の障害の有無によって分け隔てられることなく、子どもから高齢者に至るまで切れ目なく豊かなコミュニケーションが図られることが重要である。
しかしながら、障害のある人にとって、障害の特性に応じた情報の取得及びコミュニケーションのための手段を選択することができる環境は十分に整えられておらず、地域社会において、多くの不便や不安を感じながら生活してきた。
なかでも手話にあっては、手や指、体の動きなどを用いる独自の言語体系を有し、ろう者、難聴者及び中途失聴者が、社会生活において、意思疎通を図り、互いの気持ちを理解し合うために必要な言語であるにもかかわらず、これまで手話が言語として認知されず、その使用について様々な制約を受けてきた歴史がある。
こうした中、障害者の権利に関する条約及び障害者基本法(昭和45年法律第84号)において、手話が音声言語と同じく言語であることが明記され、手話に関する施策を総合的に推進するため、手話に関する施策の推進に関する法律(令和7年法律第78号)が施行された。
また、障害者基本法及び障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(令和4年法律第50号)において、全ての障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られることが求められている。
ここに私たちは、言語としての手話の普及及び合理的配慮により障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を選択できることで、障害のある人の社会参加を促進し、全ての住民が障害の有無にかかわらず、相互に人格及び個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、言語としての手話(以下「手話言語」という。)の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進について、基本理念を定め、町の責務等を明らかにするとともに、町が推進する施策を定めることにより、全ての住民が障害の有無にかかわらず、相互に人格及び個性を尊重し合いながら共生し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 手話言語の普及 手話が言語の一つであることの理解を普及させることをいう。
(2) コミュニケーション手段 独自言語としての手話、触手話、要約筆記、点字、指点字、筆談、音訳、拡大文字、平易な言葉、実物又は絵図の提示、重度障害者用意思伝達装置等日常生活又は社会参加を行う場合に障害の特性に応じて利用される意思等の伝達手段をいう。
(3) 障害のある人 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活に制限を受ける状態にあるものをいう。
(4) 事業者 事業を行う個人及び法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)をいう。
(5) コミュニケーション支援者 手話通訳者及び手話通訳士、要約筆記者、点訳者、音訳者(朗読者を含む。)、盲ろう者向け通訳・介助員その他障害のある人の意思疎通の支援等を行う者をいう。
(基本理念)
第3条 手話言語の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進は、全ての住民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格及び個性を尊重し合うことが重要であるとの認識の下に行わなければならない。
2 手話言語の普及は、手話が独自の体系を有する言語であって、日常生活又は社会生活を営むために受け継いできた文化的所産であるとの認識の下に行わなければならない。
3 障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進は、全ての住民が、障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用することの重要性を認めるとともに、その選択の機会の確保及び利用の機会の拡大が図られることを基本として行わなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、手話言語の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策を推進するものとする。
2 前項の施策の推進に当たっては、合理的な配慮を行わなければならない。
(住民の役割)
第5条 住民は、基本理念に対する理解を深めるとともに、町が実施する手話言語の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、町が実施する手話言語の普及及び障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、障害のある人に対しサービスを提供するとき、又は障害のある人を雇用するときは、障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用するために合理的な配慮を行わなければならない。
(1) 手話言語の普及に関する施策
(2) 障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進に関する施策
(3) 障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用しやすい環境の整備に関する施策
(4) コミュニケーション支援者の確保及び養成に関する施策
(5) 災害その他非常の事態において、障害のある人の情報の取得及びコミュニケーション手段の確保に関する施策
(6) 前各号に掲げるもののほか、この条例の目的を達成するために必要な施策
2 町は、前項各号に規定する施策を推進するに当たっては、障害のある人、コミュニケーション支援者その他の関係者の意見を聞き、その意見を反映するよう努めなければならない。また、その進捗について検証し、必要に応じて施策の見直しを行うものとする。
(財政上の措置)
第8条 町は、前条第1項各号に定める施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、令和8年4月1日から施行する。