○精華町土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例
令和6年3月29日
条例第8号
(目的)
第1条 この条例は、不適正な土砂等による土地の埋立て、盛土、堆積及び一時堆積(以下「土地の埋立て等」という。)が町内の生活環境に著しく影響を及ぼすことに鑑み、土地の埋立て等の行為について必要な規制を行うことにより、不適正な土地の埋立て等を防止し、もって町民の生活の安全の確保及び生活環境の保全に寄与することを目的とする。
(1) 土砂等 土地の埋立て等の用に供するものであって、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下この条において「廃棄物処理法」という。)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。
(2) 採取土砂 採石法(昭和25年法律第291号)、砂利採取法(昭和43年法律第74号)その他の法令又は条例の規定に基づき許可又は認可がなされた採取場から採取された土砂をいう。
(3) 事業 次号に規定する区域の面積が3,000平方メートル未満の土地において、土砂等により土地の埋立て等を行う行為をいう。
(4) 事業区域 事業を施行する土地の区域をいう。
(5) 事業主 事業の発注者(自ら事業を施行する者を含む。)をいう。
(6) 事業施行者 事業主から直接事業を請け負った者をいう。
(7) 埋立て 土砂等によりくぼ地、水田その他の周辺地盤面より低い土地を埋めることをいう。
(8) 盛土 土砂等により周辺地盤面より地盤を高く盛り上げ、将来にわたってその形状の変更が予定されていないことをいう。
(9) 堆積 土砂等により周辺地盤面より一時的に地盤を高く盛り上げ、将来その形状の変更又は土砂等の搬出が予定されていることをいう。
(10) 一時堆積 土砂等を発生させる者が自ら請け負った工事において発生させた土砂等、採石法、砂利採取法その他の法令の規定に基づき許可若しくは認可を受けた採取場若しくは廃棄物処理法に規定する産業廃棄物中間処理業(がれき類)の許可を受け再生砕石等を製造しているプラントから自ら購入した土砂等又は産地の証明が可能な自ら購入した自然地盤の土地から採取した土砂等の搬入及び搬出を反復継続して行うために自ら設置する土砂等の積替え又は保管のための場所又は施設(以下「ストックヤード」という。)における土砂等の一時的な堆積をいう。
(町の責務)
第3条 町は、関係機関と連携して、町内における事業の状況を把握するとともに、町民の生活の安全の確保及び生活環境の保全並びに土地の埋立て等の適正化に関する施策を推進するものとする。
(事業主等の責務)
第4条 事業主及び事業施行者(以下「事業主等」という。)は、事業を施行するに当たっては、事業区域が存する土地の周辺住民の理解を得るとともに、土地の埋立て等による災害等の発生を防止し、住民の生活の安全の確保及び生活環境の保全のため、万全の措置を講ずるものとする。
2 事業主等は、当該事業の施行に係る苦情又は紛争が生じたときは、その事業を直ちに停止し、誠意をもって解決しなければならない。
3 事業主等は、当該事業の期間中に事故等が発生したときは、直ちに必要な措置を講ずるものとする。
(土地所有者等の責務)
第5条 事業区域を含む土地の所有者、占有者及び管理者(以下「土地所有者等」という。)は、事業主等と同様に、事業を施行するに当たっては、土地の埋立て等による災害等の発生を防止し、住民の生活の安全の確保及び生活環境の保全のため、万全の措置を講ずるよう事業主等と協議するとともに、当該事業の施行に係る苦情又は紛争が生じたときは、直ちに必要な講ずべき措置を行い、誠意をもって解決しなければならない。
(土砂等を発生させる者及び土砂等を運搬する者の責務)
第6条 土砂等を発生させる者は、土砂等の発生を抑制するよう努めるとともに、発生させる土砂等により、事業が施行される場合にあっては、当該事業の事業主等により、不適正な事業が施行されることがないよう必要な配慮をしなければならない。
2 土砂等を運搬する者は、事業に用いられる土砂等を運搬しようとするときは、当該土砂等により不適正な事業が施行されることがないよう必要な配慮をしなければならない。
3 事業に用いられる土砂等を運搬する者は、土壌の汚染のおそれがある土砂等を運搬することのないよう努めなければならない。
(埋立基準に適合しない土地の埋立て等の禁止)
第7条 何人も、規則に定める土地の埋立て等に供される土砂等が土壌の汚染を防止するために満たすべき環境上の基準(以下、「埋立基準」という。)に適合しない土砂等を使用して、事業を行い、又は行わせてはならない。
2 埋立基準は、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項に規定する人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準で土壌の汚染に係るものに準じて定めるものとする。
(事前協議)
第8条 事業を施行しようとする事業主等は、第11条第1項の許可を受ける前に、規則で定めるところにより、あらかじめ当該事業の計画について町長と協議しなければならない。
2 町長は、前項の規定による協議を行ったときは、事業を施行しようとする事業主等に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
(土地所有者等への説明)
第9条 事業を施行しようとする事業主等は、規則で定める事業区域が存する土地の周辺地域の住民等に対し、前条に規定する事業の計画についてあらかじめ説明をしなければならない。
2 事業を施行しようとする事業主等は、土地所有者等その他規則で定める事業の実施の妨げとなる権利を有する者の同意を得なければならない。
(土砂等の発生状況等の調査)
第10条 町長は、事業に使用される土砂等の性状、発生場所、排出状況、運搬経路等を調査することができる。
(事業の許可)
第11条 事業を施行しようとする事業主は、事業区域ごとに町長の許可を受けなければならない。
(1) 土地の造成その他これに類する行為を行う土地の区域内において行う事業であって、当該区域内において発生した土砂等のみを用いて行われるもの
(2) 国又は地方公共団体が直接又は請負で行う事業及び公益性が高いと認められる事業の施行に係る行為のうち不適正な土地の埋立て等となるおそれがないものとして規則で定める事業(以下「公共事業」という。)
(3) 他の法令の規定による許可、認可、同意、協議の処分その他の行為に係る事業であって、規則で定めるもの
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事業
(許可の申請)
第12条 前条第1項の許可を受けようとする事業主は、次に掲げる事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。
(1) 事業主の氏名、住所及び連絡先(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 事業の種類
(3) 事業の目的
(4) 事業区域の位置
(5) 事業区域の面積
(6) 事業の期間
(7) 事業に用いる土砂等を発生させる者
(8) 事業に使用される土砂等の量
(9) 事業が完了した場合の事業区域の構造
(10) 事業に使用される土砂等の採取場所並びに当該採取場所からの搬入予定量及び搬入計画
(11) 第14条第2項各号に掲げる措置の内容
(12) 施工管理者の氏名及び職名並びに施工に必要な資格等
(13) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項
2 前項の申請書には、事業区域の位置を示す図面その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(1) 事業に用いる土砂等が、次のいずれにも該当すること。
ア 建設業に属する事業を施行する者の再生資源の利用に関する判断の基準となるべき事項を定める省令(平成3年建設省令第19号)別表第1に掲げる第1種建設発生土、第2種建設発生土、第3種建設発生土又は採取土砂であること。
イ 土砂等の採取場所から直接搬入されるものであること。ただし、町長が認めた場合は、この限りでない。
ウ 埋立基準に適合すること。
(2) 事業の施行に当たっては、事業区域及びその周辺地域の生活環境を保全し、及び事故の発生を防止するため、規則で定める基準を遵守すること。
(3) 当該申請に係る事業に使用される土砂等の構造は、当該事業区域以外への土砂等の崩落、飛散又は流出による災害の発生の防止(以下「土砂等による災害の防止」という。)のため、規則で定める基準に適合するものであること。
(4) 一時堆積以外の事業にあっては、事業に使用される土砂等の採取場所が特定されていること。
(5) 一時堆積の事業にあっては、ストックヤードの管理が規則で定める基準に適合していること。
(6) 第9条の規定による説明を行っていること。
(7) 事業主等が次のいずれにも該当しないこと。
ア 第26条第1項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
ウ 当該事業に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
エ 精華町暴力団排除条例(平成23年条例第30号)第2条第1号又は第4号の規定に該当する者
(8) 前号に定めるもののほか、規則で定める基準に適合していること。
(許可の条件)
第14条 事業主は、事業を施行するに当たっては、事業区域及びその周辺地域の生活の安全の確保及び生活環境の保全並びに土砂等による災害の防止のために必要な施工管理者を置かなければならない。
2 事業主は、事業を施行するに当たっては、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 事業区域及びその周辺地域の道路、河川、水路その他の公共施設の構造及び機能に支障を及ぼさないための措置
(2) 事業区域及びその周辺地域における粉じん、騒音、振動、水質の汚濁、土壌の汚染その他公害の発生を防止するための措置
(3) 事業区域及びその周辺地域におけるいっ水防止、土砂等の流出防止その他生活環境を保全するための措置
3 町長は、第11条第1項の許可をするに当たっては、事業を行う期間を1年を限度として許可するものとする。ただし、一時堆積の事業を行う期間にあっては、当該事業で使用するストックヤードを廃止するまでの間とする。
4 町長は、第11条第1項の許可に係る事業区域の周辺地域の生活の安全の確保及び生活環境の保全並びに土砂等による災害の防止のために必要な限度において、条件を付することができる。
(事業の内容等の変更)
第16条 許可事業者は、当該許可に係る第12条第1項第2号から第11号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、あらかじめ規則で定めるところにより、町長の許可を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
(変更の届出)
第17条 許可事業者は、当該許可に係る第12条第1項第1号又は第12号に掲げる事項に変更があったときは遅滞なく、前条第1項ただし書の規則で定める軽微な変更をしようとするときはあらかじめ、その旨を町長に届け出なければならない。
(土砂等の搬入の届出)
第18条 許可事業者は、第12条第1項第10号の規定により定めた土砂等の採取場所から土砂等を事業区域に搬入をしようとするときは、土砂等の採取場所ごとに搬入する日の7日前までに、その旨を町長に届け出なければならない。
(1) 当該土砂等が、公共事業により採取された土砂等である場合であって、土砂等が汚染されていないことについて、事前に町長の承認を受けたものであるとき。
(2) 当該土砂等が、採取土砂である場合であって、採取土砂であることを証する規則で定める書面が添付されたとき。
(3) 前2号に掲げるもののほか、当該土砂等について、土壌の汚染のおそれがないと町長が認めたとき。
(4) 一時堆積の事業の土砂等については、規則で定めるところによりストックヤードの管理が適切に行われていると町長が認めたとき。
(土砂等の量の報告)
第19条 許可事業者は、規則に定めるところにより、定期的に当該許可に係る事業に使用された土砂等の量(当該事業が一時堆積である場合にあっては、搬入及び搬出された土砂等の量)を町長に報告しなければならない。
(地質分析結果の報告)
第20条 許可事業者は、規則に定めるところにより、定期的に当該許可に係る事業区域ごとにその土壌について地質分析試験を行い、その結果を町長に報告しなければならない。
(1) 第18条第2項第1号又は第4号に規定する土砂等である場合
(2) 前号に掲げる場合のほか、規則で定める場合
(標識の設置)
第21条 許可事業者は、当該許可に係る事業の期間中、事業区域内の公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を設置しなければならない。
(事業の廃止の届出等)
第22条 許可事業者は、当該許可に係る事業を廃止し、又は中止しようとするときは、当該事業の廃止又は中止後も当該事業に使用された土砂等による災害の防止に必要な措置を講ずるものとする。
2 許可事業者は、当該許可に係る事業を廃止し、又は30日以上中止する予定であるときは、廃止又は中止した日から起算して10日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。
(事業完了の届出等)
第23条 許可事業者は、当該許可に係る事業(一時堆積を除く。)が完了したときは、完了した日から起算して10日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。
(名義貸しの禁止)
第24条 許可事業者は、自己の名義をもって他人に事業を施行させてはならない。
(措置命令等)
第25条 町長は、事業に使用された土砂等による災害の防止に緊急の必要があると認めるときは、許可事業者に対し、当該事業を停止し、又は期限を定めて当該事業に使用された土砂等による災害の防止に必要な措置を講ずるよう命ずることができる。
(許可の取消し等)
第26条 町長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当する場合は、許可を取り消すことができる。
(2) 第11条第1項の許可を受けた日から起算して1年を経過する日までに、当該許可に係る土地の埋立て等に着手しなかったとき。
(3) 第11条第1項の許可に係る土地の埋立て等に着手した日後1年を超える期間、引き続き土地の埋立て等を行っていないとき。
(4) 第13条各号に掲げる許可基準に適合しない事業を施行したとき。
(6) 第16条第1項の規定に違反して事業を行ったとき。
(報告の徴収)
第29条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、規則で定めるところにより、事業主等、土砂等の排出又は運搬を行う者、土地所有者等その他事業の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査等)
第30条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員をして事業主等(許可事業者を含む。)及び土砂等の運搬を行う者の事務所若しくは事業所又は事業区域の土地若しくは建物に立ち入り、工事その他の行為の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、検査のために必要最小限度の分量に限り土地の埋立て等の場所の土砂等を収去させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(協力要請)
第31条 町長は、土地の埋立て等において町民の生活の安全の確保及び生活環境の保全並びに土砂等による災害の防止をする必要があると認めるときは、関係行政機関、事業主等、当該事業に用いる土砂等を発生させる者、土地所有者等その他事業の関係者に対し、必要な協力を要請することができる。
(土地所有者等の義務)
第32条 第9条第2項の同意をした土地所有者等(以下「同意所有者等」という。)は、当該同意に係る事業による町民の生活の安全の確保及び生活環境の保全並びに土砂等による災害の防止のため、当該事業が施行されている間、規則で定めるところにより、定期的に当該事業の施行状況を把握しなければならない。
2 同意所有者等は、当該同意に係る事業により当該事業区域以外への土砂等の崩落、飛散又は流出による災害が発生し、若しくは土壌の汚染が発生し、又はこれらのおそれがあることを知ったときは、直ちに当該事業を施行する許可事業者に対し当該事業を停止し、必要な措置を講ずることを求めるとともに、その旨を町長に通報しなければならない。
(土地所有者等に対する勧告)
第33条 町長は、許可事業者が施行した事業において、埋立基準に適合しない土砂等が使用されていることを確認したときは、同意所有者等に対し、期限を定めて、当該事業に使用された土砂等(当該土砂等により埋立基準に適合しないこととなった土砂等を含む。)の全部若しくは一部を撤去し、又は当該事業による土壌の汚染を防止するため必要な措置を講ずることを勧告することができる。
2 町長は、第11条第1項の許可に係る事業に使用された土砂等による災害の防止のため緊急の必要があると認めるときは、同意所有者等に対し、期限を定めて、土砂等による災害の防止のため必要な措置を講ずることを勧告することができる。
(委任)
第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第35条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(2) 第24条の規定に違反し、自己の名義をもって他人に事業を施行させた者
(3) 第25条第2項の規定による命令に違反した者
第36条 第25条第3項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第37条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(1) 第21条の規定に違反して標識を設置しない者
(2) 第29条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和6年7月1日から施行する。