○精華町火災予防違反処理規程

平成15年10月20日

消防本部規程第5号

精華町火災予防違反処理規程(昭和60年消防本部規程第2号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び精華町火災予防条例(昭和50年条例第28号。以下「条例」という。)に定める火災の予防に関する規定違反の処理(以下「違反処理」という。)について必要な事項を定めるものとする。

(違反処理の主体)

第2条 違反処理は、消防署長(以下「署長」という。)が行う。ただし、次の各号に掲げる事項については消防長がこれを行う。

(1) 法第3章に規定する命令

(2) 法第13条の2第5項に規定する危険物取扱者免状又は法第17条の7第2項に規定する消防設備士免状の知事に対する返納命令要請

2 消防長は、違反処理について前項に掲げるもののほか必要がある場合は、これを行うことがある。

(違反処理上の基本的留意事項)

第3条 違反処理は、次の各号に掲げる事項に留意して行わなければならない。

(1) 違反処理は、違反の内容又は火災危険の重大性に着目し、時機を失することなく厳正公正に行うこと。

(2) 違反処理事務を行うにあたっては、関係者に対し誠実かつ沈着、冷静に対処すること。

(3) 違反処理を行った事案については、適時、追跡確認を行い、その是正促進に努めるとともに、履行期限経過後は、速やかに上位の違反処理へ移行させること。

(行政指導と違反処理の区分)

第4条 火災危険、人命危険を早期に解消するため、法違反に対しては、原則として違反処理をもって、その是正を図るものとする。ただし、法違反の程度が軽微であること、関係者に是正の意志が認められること、また、提出された改修結果(計画)報告書の期限内に改修に着手するなど違反処理を猶予する事情が存在すると判断される場合にのみ、例外的に行政指導による是正を図るものとする。

2 違反処理への移行は、改修結果(計画)報告書の提出期限をもって判断するものとする。

第2章 違反処理

第1節 通則

(違反処理の区分)

第5条 違反処理は、次に掲げる区分による。

(1) 警告

(2) 命令

(3) 認定の取消し

(4) 告発

(5) 過料事件の通知

(6) 代執行

(7) 略式の代執行

(違反処理基準)

第6条 違反処理は、別に定める違反処理基準(以下「基準」という。)に基づき、行政目的達成のため、厳正かつ公正に行うものとする。

2 違反の事実が明白で、かつ、火災予防上、人命安全上猶予できないと認める場合若しくは特異な違反事案の処理に係る場合は、基準に定める措置順序によらずこれを変更して行うことができる。

(違反の調査等)

第7条 消防吏員(以下「吏員」という。)は、職務の執行に際し違反事実を発見し、又は聞知した場合は、速やかに署長に報告しなければならない。

2 前項の報告を受けた署長は、速やかに吏員に命じてその事実関係の調査に当たらせるものとする。ただし、立入検査により違反の事実が確定している場合は、調査を省略することができる。

3 前項の規定による調査を命じられた吏員は、違反の事実を確認し、その全容を把握するとともに、関係者、行為者等人的関係及び周囲の状況等の事実関係を明らかにし、調査結果を別に定める違反調査報告書により署長に報告しなければならない。

第8条 吏員は、違反の調査に際し関係のある者に対して質問を行った場合は、別に定めるところにより質問調書を作成し、必要に応じて実況見分調書を作成するものとする。

(履行期限)

第9条 警告、命令における履行期限は、違反の悪質性、違反の程度等により判断するものではなく、あくまでも違反事項を解消するために客観的に必要と思われる履行可能な期限とするものである。

2 改修結果(計画)報告書の受理に当たっては、別に定める履行期限を参考に、改修内容に応じた妥当な改修期限を指導するものとする。

3 履行期限は、違反状態を排除させる期間であるとともに、上位の違反処理へ移行させる必要があるか否かを判断する期間でもあることから、当該履行期限内に関係者の是正の意志、是正の姿勢等を十分見極めるものとする。ただし、履行期限が経過したときは、速やかに是正確認を行い、是正されていないと認めるときは、特別の事由がない限り、速やかに上位の違反処理へ移行するものとする。

(応援)

第10条 署長は、違反処理のため必要があるときは、消防長に応援を要請することができる。

2 消防長は、前項の要請があったときは、予防課担当職員を派遣するものとする。

(違反処理と報告)

第11条 署長は、警告又は命令を行ったときは、当該違反処理に至った経緯を記載した書面及び当該警告書又は命令書の写しを速やかに消防長に報告するものとする。

2 署長は、違反処理によりその違反事実が消滅したときは、速やかに別に定める違反処理完了報告書により消防長に報告するものとする。

(違反処理記録簿の作成)

第12条 署長は、違反処理をした場合は、事案ごとに別に定める違反処理記録簿を作成し、立入検査結果通知書の交付から、改修結果(計画)報告書の提出、警告書の交付、命令書の交付、指導内容及びその手段、是正状況の確認等の経過を記録するものとする。

2 違反処理記録簿は、防火対象物台帳とは別に専用の簿冊とする。

第2節 警告・命令

(警告)

第13条 警告は、次の各号の一に該当する場合に、当該関係者に対し別に定めるところにより警告書を交付することにより行うものとする。

(1) 立入検査結果通知書により違反事実を通知したにもかかわらず、提出期限内に改修結果(計画)報告書の提出がなく、かつ、是正のための具体的な行為がないもの。

(2) 提出された改修結果(計画)報告書による改修期限が経過したにもかかわらず、是正のための具体的な行為がないもの。

(3) 是正に着手したものの完了しないまま改修結果(計画)報告書による期限が経過し、かつ、期限の経過について特別猶予すべき由がないもの。

(4) 一部是正された場合であっても、他に違反があり、当該違反が上記第2号又は第3号に該当するもの。

(5) その他署長が必要と認めたとき。

2 署長は、違反の事実が明白で、かつ、火災予防上緊急に措置する必要があると認めるときは、前項の警告書によらず、口頭で必要な事項について警告することができる。この場合、事後速やかに警告書を交付するものとする。

(命令)

第14条 命令は、次の各号の一に該当する場合に、当該関係者に対し別に定める命令書を交付し、命令を行うものとする。

(1) 警告書の履行期限が経過したにもかかわらず、是正のための具体的な行為がないもの。

(2) 警告書の交付後、是正に着手したものの完了しないまま履行期限が経過し、かつ、期限の経過について猶予すべき事由がないもの。

(3) 違反の内容が悪質かつ火災危険、人命危険が大きく、命令を必要とするもの。

(4) その他別に定める違反処理基準に該当する場合

(緊急時の命令)

第15条 署長は、次の各号の一に該当する場合に、当該関係者に対し所属吏員に必要な事項を口頭で命令させることができる。

(1) 違反事実が明白で、かつ、火災危険が著しく大きいと認める場合で、緊急に必要な措置をとらなければならないとき。

(2) 公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため、緊急に製造所等の使用を一時停止又は使用を制限する必要があると認めたとき。

2 前項の場合には、事後に署長が命令書を交付するものとする。

3 吏員が、立入検査その他の業務の遂行中において、法第3条第1項及び法第5条の3の規定に基づき口頭で行った命令については、事後速やかに別に定める命令書を発行するものとする。ただし、直ちに是正された場合はこの限りでない。この場合において、当該吏員は、別に定める緊急措置命令報告書により、署長に報告するものとする。

(命令の通報)

第16条 署長は、第14条第1項の規定により命令をするときは、事前に消防長に通報するものとする。ただし、緊急を要する命令を行う場合はこの限りでない。

(命令の解除)

第17条 署長は、命令について当該関係者から命令事項の一部を履行した旨の報告があったときは、その履行状況を調査し、火災危険が減退し、命令との均衡を失すると判断されるときは、命令を解除することができる。

2 前項の規定による命令の解除は、別に定める命令解除通知書を交付することにより行うのものとする。

(公示)

第18条 署長は、法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項及び第4項、法第8条の2第3項、法第11条の5第1項及び第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項及び第4項、法第16条の6第1項及び第17条の4第1項の規定に基づく命令を行った場合は、当該命令に係る防火対象物(危険物施設)又は当該防火対象物(危険物施設)のある場所へ別に定める標識の設置その他別に定める方法により公示を行うものとする。

2 前項の公示は、別に定める公示基準(以下「公示基準」という。)に基づき行うものとし、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を維持するものとする。

3 消防長は、署長が前項の公示を行おうとする場合に、所属吏員に当該公示のための必要な事項を処理させることができる。

(特例認定の取り消し)

第19条 署長は、法第8条の2の3第6項の規定による特例認定の取消しを行う場合は、別に定めるところにより認定取消書を交付することにより行うものとする。

(許可の取消し)

第20条 消防長は、違反事項が使用停止命令をもってしても是正されない場合で、許可の取消しに相当すると認めるときは、必要な書類を添えて町長に上申するものとする。

2 前項の規定により、上申を受けた町長は、許可の取消しの必要があると認められる場合に許可の取消しを行う。

3 町長は、前項の規定により許可の取消し決定をしたときは、消防長に通知するものとする。

4 消防長は、前項の規定による許可の取消し決定の通知を受けたときは、別に定めるところにより許可取消書を交付することにより行うものとする。

(事前手続)

第21条 この規程において、聴聞が必要な不利益処分とは次に掲げるものをいう。

(1) 法第8条の2の3第6項の規定に基づく特例認定の取消し

(2) 法第12条の2第1項の規定に基づく許可の取消し

(3) 法第13条の24の規定に基づく危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令

2 この規程において、弁明が必要な不利益処分とは次に掲げるものをいう。

(1) 法第12条の2第1項の規定に基づく使用停止命令

(2) 法第12条の2第2項の規定に基づく使用停止命令

(3) 法第14条の2第3項の規定に基づく変更命令

第3節 告発

(告発)

第22条 告発は、次の各号の一に該当する違反事案で、罰則をもって対応すべきと署長が認める場合に行うものとする。

(1) 違反内容が重大で、かつ、火災危険又は公共危険が著しく大きく、措置命令を発してもその是正を図ることができないもの。

(2) 違反に起因して火災等が発生若しくは拡大又は死傷者が発生したとき。

(3) 前各号以外で告発をもって措置すべき情状が認められるとき。

(手続き)

第23条 署長は、告発を行うときは、違反の生じた場所を管轄する捜査機関の司法警察員又は検察官に対して行うものとする。

2 告発を行うときは、別に定める告発書に次の各号に掲げるもののうち、違反に関する必要な資料を添付するものとする。

(1) 立入検査結果通知書(写)

(2) 警告書、命令書(写)

(3) 図面、写真

(4) 火災等が発生した場合は調査関係資料

(5) その他違反事実及び情状の認定に必要な資料

(事前報告)

第24条 署長は告発をしようとするときは、必要に応じて事前に消防長に報告するものとする。

(過料事件の通知)

第25条 署長は、法第8条の2の3第5項の規定による届出を怠った者を覚知した場合で、過料をもって対応すべきと認めるときに行うものとする。

2 過料事件の通知を行うときは、別に定める過料事件通知書に次の資料を添付して行うものとする。

(1) 特例認定防火対象物の管理権原者であったことを証する資料

(2) 特例認定防火対象物の管理権原者に変更があったことを証する資料

(3) 過料に処されるべき者の住所地等を証する資料

(4) 違反時点において特例認定防火対象物であったことを証する資料

3 署長は、過料事件の通知を行う場合は、必要に応じて事前に消防長に報告するものとする。

第4節 代執行

(代執行)

第26条 署長は、第14条及び第15条の規定による命令又は第22条の規定による告発によってもなお違反が是正されない場合で、特に必要であると認めたときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより代執行を行うものとする。

2 代執行を行うときは、事前に執行に伴う作業、警戒、経費等の計画を作成し、消防長に報告しなければならない。

3 代執行の戒告、通知及び費用徴収のための文書並びに執行責任者の証票は次の各号のとおりとし、様式は別に定める。

(1) 戒告書

(2) 代執行令書

(3) 代執行費用納付命令書

(4) 代執行責任者証

(証票の携帯)

第27条 署長その他の吏員が、執行責任者として代執行の現場に赴くときは、前条第3項第4号の証票を携帯し、要求があるときは、いつでもこれを呈示しなければならない。

(略式の代執行)

第28条 署長は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の命令に係る履行義務者を確知することができないために当該命令を発することができない場合には、法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき、当該消防職員に法第3条第1項第3号及び第4号に掲げる措置をとらせるものとする。

(結果の報告)

第29条 署長は、代執行をしたときは、速やかに関係書類を添えて消防長に報告するものとする。

第5節 教示

(教示)

第30条 命令書又は戒告書、代執行命令書若しくは代執行費用納付命令書を交付する場合又は受命者等から求められた場合は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)に定めるところにより審査請求ができる旨を教示しなければならない。

第6節 免状返納命令の要請

(免状返納命令の要請)

第31条 消防長は、危険物取扱者又は消防設備士が、次の各号の一に該当し、免状返納命令の必要があると認めた場合は、京都府知事に対し免状返納命令の要請を行う。

(1) 危険物取扱者にあっては、法令の規定に違反し、過去において警告を受けたことのある場合又は法令の規定に違反し、事故を起こした場合

(2) 消防設備士にあっては、法令の規定に違反し、過去において警告を受けたことのある場合

(3) 前2号に掲げるもののほか、重大な法令違反があった場合

2 前項の免状返納命令要請は、別に定める免状返納命令要請書に関係書類を添えて行う。

(免状返納命令の上申)

第32条 署長は、前条第1項各号の一に該当し、免状返納命令の必要があると認めた場合は、関係書類を添え、消防長に上申をすることができる。

2 消防長は、前項の規定に基づき署長から、免状返納命令の上申があり、必要があると認めた場合は、前条第2項及び第3項の規定により免状返納命令の要請を行うものとする。

第3章 雑則

(関係行政機関との連携)

第33条 署長は、立入検査において指摘した他法令の防火に関する規定の違反については、主管行政庁に通知し、是正促進を要請するとともに、十分な連絡を図り、その改善指導に努めるものとする。

2 署長は、他法令違反が存する対象物の違反是正措置等を講じる場合には、関係機関と十分な情報提供及び連絡調整を行うとともに、自ら違反事実の把握に努め、ほかに手段がない場合に、他の関係官公署の事務に支障がないように配慮しつつ、法第35条の13の規定に基づく照会を行うなど、適切な措置を講じるよう相互の連携に努めるものとする。

3 署長は、違反処理につき関係機関より協力を求められたときは、必要に応じ協力するものとする。

(送達)

第34条 この規程に定める警告書、命令書、認定取消書、許可取消書、戒告書、代執行令書及び代執行費用納付命令書(以下「警告書等」という。)は、当該関係者に直接交付し、別に定める受領書を提出させるものとする。

2 前項の警告書等の受額を拒否したときその他やむを得ないときは、内容証明又は配達証明により郵送するものとする。

(補則)

第35条 この規程に定めるもののほか必要な事項は、消防長が定める。

この規程は、平成15年10月20日から施行する。

(平成21年消本規程第5号)

この規程は、平成21年10月30日から施行する。

(平成28年消本規程第2号)

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

精華町火災予防違反処理規程

平成15年10月20日 消防本部規程第5号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第14編 防/第3章 火災予防
沿革情報
平成15年10月20日 消防本部規程第5号
平成21年9月25日 消防本部規程第5号
平成28年4月1日 消防本部規程第2号