○精華町文化財保護条例
昭和63年12月27日
条例第22号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法の規定による指定及び京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第27号。以下「府条例」という。)の規定による指定等を受けた文化財以外の文化財で精華町(以下「町」という。)の区域内に存するもののうち、町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上及び地域文化の発展に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項各号に規定するものをいう。
(町の責務)
第3条 町は、文化財が、町の歴史、文化又は自然を正しく理解し、地域の特性を考えるために欠くことのできないものであり、かつ、現在及び将来にわたり、町民の文化的向上及び地域文化の発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存及び活用が適切に行われるよう必要な施策を講じなければならない。
(町民、所有者等の心構え)
第4条 町民は、町がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な町民の財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第5条 町は、この条例の執行に当たって関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 町指定有形文化財
(指定)
第6条 精華町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、町の区域内に存する有形文化財のうち町にとつて重要なものを精華町指定有形文化財(以下「町指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 教育委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、精華町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該町指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行うものとする。
6 教育委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該町指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第7条 教育委員会は、町指定有形文化財が町指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
3 町指定有形文化財について国又は京都府の指定があつたときは、その指定は、解除されたものとする。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第8条 町指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、町指定有形文化財を管理しなければならない。
2 町指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、適当な者を専ら自己に代わり当該町指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)に選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、町指定有形文化財の所有者は、20日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(所有者等の変更)
第9条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、20日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。
2 町指定有形文化財の所有者は、管理責任者を変更したときは、20日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。
3 町指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、20日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。
(管理団体による管理)
第10条 町指定有形文化財につき、所有者が判明しない場合又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、教育委員会は、適当と認める団体を指定して、当該町指定有形文化財の保存のため必要な管理(当該町指定有形文化財の保存のため必要な施設、設備その他の物件で当該町指定有形文化財の所有者の所有又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。
2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、当該町指定有形文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする適当と認める団体の同意を得なければならない。
6 管理団体には、第8条第1項の規定を準用する。
(管理団体の解除)
第11条 前条第1項に規定する事由が消滅した場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、管理団体の指定を解除することができる。
(管理団体による管理費用の負担)
第12条 管理団体が行う管理に要する費用は、この条例に特別の定めのある場合を除いて、管理団体の負担とする。
2 前項の規定は、管理団体と所有者との協議により、管理団体が行う管理により所有者の受ける利益の限度において、管理に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。
(滅失・き損等)
第13条 町指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、その事実を知つた日から10日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。
(所在の変更)
第14条 町指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、町指定有形文化財の所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、所在の場所を変更しようとする日の20日前までに教育委員会にその旨を届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は教育委員会規則の定めるところにより所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。
(修理)
第15条 町指定有形文化財の修理は、所有者が行うものとする。ただし、管理団体がある場合は、管理団体が行うものとする。
(管理団体による修理)
第16条 管理団体が修理を行う場合は、管理団体は、あらかじめ、その修理の方法及び時期について当該町指定有形文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者の意見を聞かなければならない。
(管理又は修理の補助)
第17条 町指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、町指定有形文化財の所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町は、当該所有者又は管理団体に対し、予算の範囲内で、当該費用の一部を補助することができる。
2 教育委員会は、前項の補助金を交付する場合には、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第18条 町指定有形文化財の管理が適当でないため、町指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者、管理責任者又は管理団体に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 教育委員会は、町指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者又は管理団体に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を町の負担とすることができる。
2 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該町指定有形文化財を町に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、町は、前項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を減免することができる。
(現状変更等の制限)
第20条 町指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書きに規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
2 教育委員会は、町指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る町指定有形文化財の修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
(公開)
第22条 教育委員会は、町指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、当該町指定有形文化財の公開を勧告することができる。
2 教育委員会は、町指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、前項の規定による公開及び当該公開に係る町指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
3 教育委員会は、町指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため当該町指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
4 前項の規定による出品のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を町の負担とすることができる。
(報告の徴収)
第23条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定有形文化財の所有者、管理責任者又は管理団体に対し、町指定有形文化財の現状又は管理、修理の状況その他の事項につき報告を求めることができる。
(所有者変更等に伴う権利義務の承継)
第24条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該町指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該町指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第3章 町指定無形文化財
(指定)
第25条 教育委員会は、町の区域内に存する無形文化財のうち町にとつて重要なものを精華町指定無形文化財(以下「町指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知して行うものとする。
(解除)
第26条 教育委員会は、町指定無形文化財が町指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、保持者又は保持団体の認定を解除することができる。
4 町指定無形文化財について国又は京都府の指定があつたときは、その指定は、解除されたものとする。
(保持者の氏名変更等)
第27条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、その事由の生じた日(保持者の死亡に係る場合は、相続人がその事実を知つた日)から20日以内に教育委員会にその旨を届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。
(保存)
第28条 教育委員会は、町指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、町指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、町は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存に要する費用の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第29条 教育委員会は、町指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し町指定無形文化財の公開を、町指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
2 町は、前項の規定による勧告に基づいてする記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第30条 教育委員会は、町指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、町指定無形文化財の保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 町指定有形民俗文化財・町指定無形民俗文化財
(指定)
第31条 教育委員会は、町の区域内に存する有形の民俗文化財のうち町にとつて重要なものを精華町指定有形民俗文化財(以下「町指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財のうち町にとつて重要なものを精華町指定無形民俗文化財(以下「町指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
4 第1項の規定による町指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示して行うものとする。
5 教育委員会は、第1項の規定による町指定無形民俗文化財の指定をしたときは、当該町指定無形民俗文化財の保護団体に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第32条 教育委員会は、町指定有形民俗文化財又は町指定無形民俗文化財が町指定有形民俗文化財又は町指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
4 町指定有形民俗文化財又は町指定無形民俗文化財について国又は京都府の指定があつたときは、その指定は、解除されたものとする。
(町指定有形民俗文化財の保護)
第33条 町指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、現状を変更し、又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の20日前までに、教育委員会規則の定めるところにより、教育委員会にその旨を届け出なければならない。
2 教育委員会は、町指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る町指定有形民俗文化財の現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な事項を指示することができる。
(町指定無形民俗文化財の保存)
第35条 教育委員会は、町指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、町指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、町は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する費用の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(町指定無形民俗文化財の記録の公開)
第36条 教育委員会は、町指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(町指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第37条 教育委員会は、町指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第5章 町指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第38条 教育委員会は、町の区域内に存する記念物のうち町にとつて重要なものを精華町指定史跡、精華町指定名勝又は精華町指定天然記念物(以下「町指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第39条 教育委員会は、町指定史跡名勝天然記念物が町指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
3 町指定史跡名勝天然記念物について国又は京都府の指定があつたときは、その指定は、解除されたものとする。
第6章 町指定有形文化財等の環境保全
(環境保全)
第43条 教育委員会は、この条例の規定により指定された有形文化財又は記念物について、その保存のため必要があると認めるときは、所有者(管理責任者又は管理団体があるときは、その者)に対し、文化財の環境保全について必要な措置を執るべきことを指示することができる。
第7章 埋蔵文化財
(埋蔵文化財に関する責務)
第44条 教育委員会は、町の区域内に存する埋蔵文化財包蔵地の周知徹底を図り、土木工事等によって当該周知の埋蔵文化財包蔵地が損傷し、又は出土遺物が散逸等をしないよう所有者その他関係者に適切な指導及び助言をするなどその防止に努めなければならない。
2 何人も、埋蔵文化財を発見したときは、当該埋蔵文化財の損傷等の防止に努め、また教育委員会が行う埋蔵文化財の発掘調査に協力するよう努めなければならない。
第8章 精華町文化財保護審議会
(設置)
第45条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、教育委員会に精華町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第46条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し及びこれらの事項に関して教育委員会に答申及び建議する。
(組織)
第47条 審議会は、委員10人以内で組織する。
2 委員は、文化財の保存及び活用に関し学識経験を有するものその他適当と思われる者のうちから、教育委員会が委嘱する。
(委員の任期)
第48条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長)
第49条 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 会長は、会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第50条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会の会議は、委員の過半数の出席がなければ開くことができない。
(庶務)
第51条 審議会の庶務は、教育委員会の事務局において処理する。
第9章 補則
第10章 罰則
(罰則)
第53条 町指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第54条 町指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
附則
この条例は、平成元年4月1日から施行する。
附則(平成13年条例第3号)
この条例は、公布の日から施行し、平成13年2月26日から適用する。
附則(平成23年条例第3号)
この条例は、公布の日から施行する。